歴博歴史の旅参加記
岡山考古の旅に参加して 佐倉市 小池
大和王権の成立に大きな影響を与えた謎とロマンに満ちた吉備の国を訪ねる岡山考古の旅に参加しました。中秋の10月2日から2泊3日の旅。吉備の弥生時代の遺跡から古墳の見学、備中・備前の国分寺、岡山一の吉備津神社、鬼の城山の山城めぐり等をバスの中で春成先生からご説明を伺いながらの現地探訪を楽しみました。見学先の幾つかをご報告します。
最初に訪ねたのが弥生時代最大の墳墓である楯築墳丘墓。被葬者は弥生時代末期の吉備の王との説。築山の頂には巨石が立てられ、石の祠には弧帯石が祀られてあった。次に桃太郎伝説ゆかりの地、鬼ノ城へ。鬼ノ城山の山頂近くに土塁と石垣を6mほど積み上げその上に木の塀の城壁が続く、そして見事な木造の西門が現れた。鬼ノ城は朝鮮の山城の技術を取り入れて建てられたとのこと。
2日目は吉備津神社を早朝に参詣。真っ青な空に神殿が映え神々しい。古くから伝わる御釜殿鳴動神事を参加者全員で体験。鳴動神事は吉と出ました。古墳見学では、吉備の王が眠ると言われる日本で4番目の規模を誇る全長360mの前方後円墳の造山古墳や巨石を用いて奥行き18mの横穴式石室をもつこうもり塚古墳。見事な装飾を施された特殊器台や特殊壷が出土した弥生時代後期の宮山墳丘墓も訪ねました。
3日目は後楽園を朝散策の後、岡山県立博物館に入館、宮山墳墓から出土した特殊器台の実物に接し、「弥生時代、埋葬の儀式に高杯が用いられ、吉備ではその後、装飾の豊かな特殊器台へと、その後の古墳時代の円筒埴輪へと変化した」ことが現物を見て理解できました。吉備の東南部の地、備前も訪問。石造りの塔のみが残る備前国分寺跡の近くには備前地域最大規模、両宮山古墳が水をたたえた外堀に緑を映し美しい姿を我々の前に現した。赤磐市山陽郷土資料館、総社市学習の館、倉敷考古館では古代岡山の遺跡からの出土品を学芸員から説明を聞きながら見学できましたことも吉備を理解するうえで役立ちました。 |